空は、この1週間、大学へ行けなくなってしまった。
次男の空也(仮名)は、21歳の大学三年生。
小学校の先生になりたいと、そういった方面の学部に進学している。そこで発達障害についてを学び、「あれ?これってオレじゃね?」と、ADHDに気がついた。
高校1年の時に幻聴が聞こえ、妄想もあったらしいが、そのほんの3ヶ月ほど前に長男の大地が統合失調症を発症して学んでおり、「違う!違う!!これはホントの事じゃない!!」と自分に言い聞かせたらしい。その頃、「死にたい」という衝動もあったようだが、死ぬことすらめんどくさく感じられ、何度か道路に飛び出したい衝動に駆られながらも、踏みとどまって今に至る。
高二の時のクラス替えで同じ部活の友だちと一緒になり、部活をやめてからもなんとか楽しく過ごせてはいたらしい。とはいえ、この時の状態は完全なうつ状態(統合失調症だった可能性ももちろんある)
うつ病になった方はわかると思うけれど、統合失調症と同じように、記憶力、集中力が驚くほど低下する。
え!!?なんで?
ちっとも覚えられない、、、、。
となる。
受験期の空也も同じで、まったく頭に入ってこなかったという。
とはいえ空也は、第1希望の大学には落ちたものの滑り止めで受けた大学には受かり、大学入学と同時に1人暮らしを始めた。
空也は、もともとの穏やかな性格もあってか、大学ではたくさんの友だちもでき、最初はうつ病の症状も影を潜めていたのだけれど、夫と私の厳しい方針で(夫は仕送りなしで大学卒業していた)、仕送りは学費と家賃のみであったため、空也はアルバイトをしながら大学へ通っていたのだけれど、
そもそもうつ病が潜んでいたわけだから、過労や睡眠不足は再発となる可能性大!
そのうち、寝ても寝ても眠いという過眠症の症状が出て、自分でマズいと思ったらしく精神科受診。
そこでうつ病と診断されただけでなく、ADHDも診断されて薬を内服している。
過眠の原因はうつ病にあったらしく、うつ病の薬を飲み始めてから空也の過眠症の症状はかなり落ち着いたらしい。
さて、その空也が自分なりのうつ病を分析した。
かあさん、うつ病になるとさ、感情が無くなるんだよ。
泣く笑う驚くとかも、心から出来なくなる。
怒りの感情も浮かばない
焦ることもなくなる。
そうなると、どうなると思う?
孤独を感じる
周りが感情を持つのに自分は感情を持たないことから、他の人と一緒にいても孤独を感じるようになる
そうすると、羨ましい感情が時々出る
それは、感情があることが羨ましいと感じる
そうなると、孤独をより強く感じる。
みんなといると笑うけど、それは作り笑い。心からではない。他の人は心から笑ってるから「いいな~」と、思う瞬間がある。
殴られる方が、まだ感情が芽ばえるし、無視をされると、無視されたことに対する感情が生まれるでしょ?悔しいとか悲しいとか怒りとかね。
でも、うつ病はそういった感情もなくなる。感情がないというのは、何も出来ないこと。つまり1番の苦痛
感情を失うってのは、自分がそこにいないのと同じ。笑っていても楽しそうに見えても、心の中はそうじゃない。
何もすることがなくその場にいなさいと言われたら、死んだ方がマシだと思うのは当然でしょ?周りが感情があるのに、自分にはないんだから、孤独を感じるしね。
だから、うつ病になると死んだ方がマシだなって思うようになるんだよ。
リスカするのは、痛いでしょ。痛い方が、なんにも感じないよりマシなんだよ。痛いという気持ちが湧いて、生きてると感じられるから。
あとさ、うつ病になると、味覚・触覚・聴覚も無くなる。鈍くなるって言うか、、、。
うつ病の薬を飲んで、オレは食べ物に味がすることに気がついた。
空也は、うつ病についてこんな風に話してくれた。
感情の平坦化という症状がある。それは、うつ病の「意欲が出ない」というものの、もっと根本的な症状なのだなと思った。
空也は、うつ病の薬が変わった。SSRIだったのが、NaSSAとなった。うつ病の治療を始めて数ヶ月。NaSSAには、眠くなるという副作用がある。
そのために、眠くて眠くて、大学へ行けずに寝ていたのだという。
休学する?と聞いてみた。
うん、このままだとそれも考えた。でも、医者が副作用の眠さはそのうち取れるっていうからもう少し様子見る。
空也は、もしも小学校の先生になれたら、発達障害の子の気持ちもわかる良い先生になると思う。
コメント
空くん、病気と闘いながら 客観的に症状や自分のことを分析していて、すごいです。
統失の家族を間近に見ていたから、と言うことも あるのでしょうね。
すばらしい先生になれると思います!
本調子でない時は 休み休みでも 夢を叶えて欲しいです。
本気で応援します!
もりたさん、
コメントありがとうございます。
空は、頑張ってるな〜と思います。
空は小さな頃から穏やかな性格で、クラスでも目立つ方ではなかったと思いますが、いつも一生懸命がんばる子でした。
お兄ちゃんの大地の真似をする事が多かった気もしますが、今はすっかりアイデンティティを確立させたようです。
学童保育でアルバイトしていますが、子どもたちにとても懐かれているようです。
もりたさんの応援メッセージ、伝えますね~