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拝啓 精神科医様

初めまして。統合失調症の息子をもつ母から、精神科のお医者様にお願いがあります。

私のブログにコメントをされる方たちの中に、精神科の医療に否定的であったり、不信感を抱いているであろう人たちがいます。また家族会の中にも、なかなか合う医師と出会えずに転院を繰り返す人もいます。

このことについてどのように思われますか。

原因のひとつは、まず私たち一般の人の多くが精神疾患を「知らない」という事ではないかと思っています。そして精神障がい者に対する偏見があり「知ろうとしない」で育ってきたからだろうと思います。そのため、多くの噂や真実かどうかわからない情報に流されて、何の予測もできないまま、ありえないほどの不安を抱え、精神科を受診するのです。
恥ずかしながら、私は医療従事者でありながら、知らなかったし、知ろうとしなかったし偏見があった人間の一人です。これは、医療を受ける側の問題点と言えるでしょう。

次に医療者側の問題点として、「医師の説明不足」というものがあるかと思います。「なぜ?その薬を使うのか。」「なぜ?入院するのか。」「なぜ?その病名だと思うのか」「なぜ?家族の面会はダメなのか」数え上げれば切りがありませんが、精神疾患を発症した人の家族にとっては、知らないがゆえに、湧き上がる疑問は尽きないのです。

そこをひとつひとつ丁寧にクリアしていかないと、不信感・不満は、寛解するまで解消されないでしょう。

私は、初期の急性期の息子を知っている医師に、ずっと診てもらいたかったという思いがあります。心から、良くなっていくという喜びを医師と分かち合いたいと思うのです。
けれど残念ながら、このような状況を見届けることのできる医師と家族は多くはないように思います。それは、私のように初診で診てくださった医師が異動になってしまったという物理的な理由だけではなく、不信感から転院したといったような理由も挙げられるでしょう。

統合失調症は、不信感を持ちながら治療を継続していくのは非常に難しい病気でもあります。だから、医療ショッピングのような状況も起きてしまいます。

急性期は薬・安静! それはわかるけれど、長く付き合っていかなければならない病気なので、最初が肝心! その後の信頼関係構築のために、家族が納得のいく丁寧な説明はおこなってほしい。せめて医師が忙しくてできなければ、看護師でも精神保健福祉士でも良いですが。

おかげさまで、私は良い医師と出会い、息子は寛解に向かっているように思います。

ただ、医師に対する不信感を抱きながら通院したり、転院を繰り返したりしている家族が多くいるのも事実です。

多くの医師が誠実に真剣に患者と向き合うのを見てきた看護師として、また統合失調症の息子をもつ母として、精神科の医療が不信感を持たれないようにするには、他科以上に丁寧に、患者と家族と向き合っていただかなければならないと思うのです。

余談ですが、私が息子の事で出会った精神科医師は6名でした。そのうち3名が「大丈夫かな、この先生?」と思うような感じで、その内1名は時間の経過とともに良い医師である確信がもてるようになりました。(他2名は2回しかお会いしていないので継続していたらどうなったかは不明)。 他に1名「腕は良さそうだけど横柄だな~」と思う方もいましたが、2名は最初から「いい先生だな~~~」と拝みたくなるようなお人柄で、説明が非常に丁寧でわかりやすかったです。

お忙しい所ここまで読んでいただき、ありがとうございました。失礼な発言の数々御容赦ください。決して、精神科を他より軽んじているわけではありません。むしろ、息子が発症したおかげで学びなおし、看護師としては、多くの科の中で、最も難しくやりがいのある科なのではないかとすら思っています。

統合失調症の治療は、医師と患者とその家族の信頼関係なくしては最善の方向に向かわないと思います。

他科以上の丁寧な対応を、どうぞよろしくお願いいたします。

 

森の民

コメント

  1. ピアス より:

    おはようございます。良いドクターは、内科でも外科でも精神科でも、十人に一人位居るか居ないかでは、無いでしょうか。特に問題点なのは、ドクター、看護師を初めとする医療従事者の方々が精神疾患に対して根拠の無い強い偏見を持って対応をしている。という事実がある事です。此は、大きな問題点です。

    • 森の民 より:

      ピアスさん、

      医療従事者の精神疾患に対する偏見は、一般の人と同じ割合でいるように思います。
      ただ、医療従事者はそういった病気の人と出会う率が高いため、多くいるように感じるかもしれません。
      例えば外科では、外科専門の医師が手術などを行う訳ですが、そこに精神疾患の方が入院してきたら、+その精神疾患についても同じだけの専門性が必要になります。
      大きな病院では、複数の専門医が連携しながらそれぞれの治療に専念できますが、そうでなければ、精神疾患を持つ患者さんを診るのは難しいかもしれません。
      息子が入院した病院のスタッフさんたちは、医師も含め、偏見を持っている感じではありませんでしたが、ピアスさんが出会った方たちの対応は、良くなかったのでしょうね。

      全ての人が、精神疾患に対してきちんとした知識を持てると良いですよね。

  2. ピアス より:

    こんにちは。私の個人的な意見です。何科の先生も10人に1人位しか良い先生が居ないように思います。医療従事者である先生と看護師達が根拠の無い偏見で差別している。という事が大きな問題点だと思います。良い先生は、差別をしませんからね。