目標にしていた警察官採用試験が終わった。
思えば、認知機能リハビリテーション(NEAR)をやろうという気持ちになったのも、警察官試験の勉強がまったくはかどらなかったからだし(クオカードの事は大きかったけどね)、リハビリが終わってからも、大地なりに勉強に向き合ったようだ。やりたいと思う事があれば、電車に乗ったりとかも出来るのだという事がわかった。
採用試験後、大地は以前のような生活に戻っていたので、私は、今度こそ精神科デイへ!と思っていた。
「大地、毎日寝てばっかりじゃつまらなくない? 同じくらいの子と、ゲームしたり勉強したり、作業をしたり、そういう場所があるんだよ。今より少し、充実した生活になるかもよ。」
すると大地は、
「今オレ、毎日忙しいんだけど。」
「なんで忙しいの?」
「ゲームしたり、寝たり、ココア(飼い犬)と遊んだりー(o^^o)。あー!オレの今の充実した生活を続けさせてくれ〜。」
ニヤリと笑いながら言う大地。
というわけで、相変わらず大地はデイサービスとか作業所とか、そういった方向には興味がなく、その話をしようとするだけで「行かない!」と遮られてしまう。
大地は、バイトしようかな〜と、言ってはいたが、なかなか一歩が踏み出せない様でもあった。すると父親が「ぼちぼちアルバイト始めろ。何もしないで家にいたって仕方ないだろ」と。
大地は、「う~ん。。。」と聞いているのかいないのか、あいまいな返事をしていたが、翌日、「コンビニでバイトをしようと思う!」と言い出した。
そして、まだ二次試験の結果が届いていなかった11月。大地はコンビニのアルバイトを探し始めた。
なぜコンビニなのか…。
高校生の頃、コンビニで初めてのバイトをしようとし、面接にも行ったのだが、父親に反対された事があるのだ。結局、父親の言う通り、せっかく採用されたコンビニバイトを断り、「もうバイトはやらない!」となった経緯があった。
病気になり、父親も大地のバイト先の事までうるさく言わなくなっていた。
大地は自宅近くのコンビニを自転車で回り、アルバイト募集の張り紙を見つけると、さっそく履歴書を書いたり、電話で面接の予約をしたりと動き、すぐにアルバイトを始めた。
アルバイトを始めるにあたり、私から大地にひとつだけ条件を出した。
「深夜から朝方にかけてのバイトだけはしてはいけないよ。寝る時間が大事だからね。」
大地はその約束だけは守り、
「平日は3日間で、9:00~13:00にした。」
「いいじゃん、初めてのアルバイトだし、ちょうどいいね。」と言うと、
「あと土日は8時間働く。9:00~17:00」
???
いきなり週5日働くの?大丈夫?
「おー!」といつもの返事をする大地
ちょうど、1年半飲み続けていたヒルナミンが減薬され、なくなっていた。
この活動的な様子は減薬の影響だろうか?
きっかけはどうであれ、アルバイトを始めようとする意欲が出始めたのは良い事だ。
けれど、大丈夫だろうか…。
数か月前までの事を考えると、大地がアルバイトをするようになるなんて、信じられない話だったが、1日の大半を寝て過ごしていた大地が、週に5日もバイト!
まだまだ目を離せないなと感じた。
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