統合失調症の症状を調べると、妄想や幻聴などの目立った陽性症状と、陰性症状、そして認知機能の障害が、挙げられているものが多い。
その中で、どの症状に分類されるのか分からないけれど、「衝動」という症状があるように思う。
大地の場合…
入院して会いに行くと、○○が食べたい。病棟内を歩くときのスリッパが小さいから、もう少し大きめのがほしい。などなど、リクエストが続いた。
それらが無いことが我慢出来ない様子だった。
スーパーの買い物途中で、床に寝転んで「買ってー!」と泣き叫ぶ子がいるが、泣いたりはしないものの、何かを買ってきて欲しいと言う息子の雰囲気は、それ以上の鬼気迫るものがあった。
そんな中で、「○○の小説、10巻まで出てる。1巻と2巻はあるから、他のが読みたいから全部買ってきて。」とか、「警察官になるための試験勉強したいから、参考書とか問題集買ってきて。」
というものがあった。
入院していて暇だからかなと、思えないこともないが、
買って持っていったものの、まったく読んでいなかった。
今思えば、読めるわけがなかった。
これは、「ほしい!」と思うと止められない衝動性のような症状のひとつだったと思う。
今思うと、息子の妄想やリクエストに振り回された感はあるが、あの時の息子の、1度思うと絶対に欲しくなるという執着はすごかった。
小説も参考書も、毎回リクエストされた菓子もアイスも、こだわりがあり、それを食べないといられないというような様子だった。
この衝動的な執着は、モンテッソリーの幼児教育のように、とことんやると、「卒業」するのかもしれない、と思った。
たまたま、息子のこだわりが、そんなにお金のかかるものではなかったから、こんなにのんびり構えていられるが、お金のかかるものに執着している場合は、本当に大変だと思う。
たまたま、息子のこだわりが、そんなにお金のかかるものではなかったから、こんなにのんびり構えていられるが、お金のかかるものに執着している場合は、本当に大変だと思う。
私は、お菓子も同じものを何個も何個も届けた。
面会に行けなくても、お菓子だけ届けて、ナースステーションから息子に渡してもらったりした。
けれど、陰性症状が強く出ていた時は、あれほど毎日何個も食べたがっていたスナック菓子も、アイスも、自分から食べたいと言わなくなった。
いつごろからだったかな???
「卒業」したのかもしれないと思いホッとした。
「卒業」したのかもしれないと思いホッとした。
けれど、発症から3年経った今、バイトをして自分の自由にできるお金を得た大地は、コンビニで、食べたいと思うアイスやお菓子、ラーメンなどを大人買いしている。
趣味のカードゲームのカードも、数万円分1度に買ったことがあるらしい。
買いたい衝動を抑えられないように見える。
注意すると、まだバイト代が残ってるから大丈夫。と、自分なりに考えてはいるようだが、この衝動的な買い方は、普通とは言えない。
陽性症状は、薬で何とかなるかもしれないが、暮らしていく上で本当に困るのは、こういった欲しいものに対する衝動かもしれない。
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