次男の空(仮名)は、大地が発症した時、中学3年生の3月だった。
高校に合格したばかりだったのだが、その高校は、大地が当初希望していた高校だった。2年前、大地は希望高校からレベルを下げて受験したのだ。
ずっと自分の真似をして後をついてきた弟が、自分より偏差値の高い高校に受かったことは、もちろんストレスであったかもしれない。
発症したばかりの頃、私は少しでも大地の気を紛らわせようと、家の前でバトミントンをしたりした。体を動かす事が好きな大地は、喜んでやっていたし、それをやってる間は妄想の話はしなかった。
空は大地が発症してから入院するまでの2週間近くの間、学校から帰ると、大地とバトミントンをやってくれたりした。空といることが一番多かった大地は、空にも妄想の話をした。
かあさん、ヤバいよ、にいちゃん。
空にとって一番心が弾む時期に、私は空の気持ちをまったく考えていなかった。
退院後、空は高校入学しており、自分が高校生活を楽しむことで精一杯だと思っていたのだが、実は友人関係の悩みなどから、鬱になっていった。
つづく
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