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細胞のひとつひとつ

私の身体は、小さな小さな細胞によって構成されている。

そして、色んな経験が、細胞にインプットされていると思っている。

よく、心臓移植をしてから、何かを見るとドキドキするようになった、とか、食べ物の好みが変わったなど、不思議な話を聞くことがあるけれど、それは、心臓を構成している細胞にも、経験から獲得したものがインプットされていたからだと思う。

トラウマになるようなショックな出来事も、脳だけでなく、身体の細胞にも大きなショックとなって残るから、脳に効く薬だけでは、そう簡単にトラウマを克服できないのだと思う。

息子が統合失調症になった事は、私に大きな衝撃を与えたから、恐らく、私の身体の細胞ひとつひとつに、そのショックは染み込んでいる。

けれど最近思うのは、そういった、色んな経験がインプットされた細胞で出来上がっているのが、今の私なのだという事。

どの経験が欠けても、それは今の私にはならない。

私は、毎日違う、新しい一日を過ごして、新しい経験を積むのだ。

そして、それは、昨日とは違う新しい細胞で、新しい自分になるのだ。

なにか、心を震わせるような、衝撃的な体験をする度に、それは、脳に記憶として刻まれるだけでなく、私を構成するミクロの細胞ひとつひとつに、染み込んでいく。喜びも悲しみも辛い事も。

そして、新しい細胞、新しい自分へと進化していく。

死ぬまで、その進化は続く。

息子が統合失調症になった事は、私にとっては、大きく、新しい自分へと進化する出来事だったのだ。

「統合失調症という衝撃を受けた細胞」へと進化した細胞で構成されている自分の方が、前よりすごい気がする。

大地には悪いけど、母さんはどんどん進化してるよ。誰もがこんな経験を積めるわけじゃないからね。

100人に一人の親しか経験できない、貴重な経験をさせてもらって、かあさんを構成している細胞の経験値は、相当高くなってるよ。

 

大地、ありがとう♪

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