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「うちの子統合失調症なんです」と話すとき

2.統合失調症との日々

入院10日目ともなると、同じ部屋の人とも仲良くなって話もするようになる

当然話題も家族のことに・・・

お子さんが来月結婚するとか、お孫さんの話とか、皆さん私と似たり寄ったりの病気だから入院してるというのに、こうして話していると全くそんな病気の影が見えない。

さて、当然私も家族の話を・・・

まず子どもが4人いるというだけで、話題は2人だけの方の2倍(;^_^A

しかも、「長男は統合失調症って言う病気になって、あ、統合失調症って知ってます?」なんて話し始めたらもはや独壇場💦

「統合失調症って、精神疾患なんですけど、妄想とか幻聴とか有名な・・・」と言うと、皆さんその程度は知ってるらしくうんうんとうなづいている。

「ほら、精神疾患って偏見があるでしょ。私も自分が偏見があったから、発症してから2年くらいは話せなかったりもして。。。でも、病気になったのは子どもが原因じゃないし、病気は息子の一部って言うだけで、「隠す」って言う事がすごく変な気がして。。。隠すって、恥ずかしいからみたいじゃない?でも、うちの子は、別に恥ずかしくなんてないし、むしろ病気と闘ってめちゃめちゃ頑張って誇れるくらいなのに。なんでこそこそする必要があるんだろう!って思って。で、こうやってみんなにどんどん話すようにしたんですよ~」

さらに、「どうしてその病気になったの?」と聞かれる。(たいてい聞かれる)

「それがねえ、よくこころの病気とか言われるけど、脳の機能の不具合で起こる病気だから。。。例えば糖尿病がインスリンっていう物質の出方の不具合で起こったりとか、今回私たちだって病気になったけど、何が原因?って言われてもわからないのと同じで、わからないんですよね~。同じように例えば、私たちの目前に迫った認知症(笑) これもどうしてなるの?って言われても、脳の不具合だからね~。自分でコントロールもできないし」

「そうよね~~」「わからないわよね~」 と言いながら皆さんうんうんとうなづく。認知症の話は同じ脳の病気だし、誰がなるかわからないからイメージしやすいかも。

「もしも、何が原因かっていうのをひとつあげるなら、、ほら、5大疾患って言われてるものあるんだけど、精神疾患てそのひとつなのね。」と、さらりと5大疾患(癌・糖尿病・心疾患・脳卒中・精神疾患)を伝えて、

「他の病気は中高年からの発症が高いのに、精神疾患だけが10代での発症が一番高いっていう!!」

みなさん、少し驚いたような様子で聞いてくださる。

「だからね。第二次性徴って、成長期の急激なホルモンバランスの変化が統合失調症発症の大きな原因のひとつって言われてるの。」

「だから10代での発症が多くなるのね~」と、納得された様子。

「ホルモンバランスが変化するのはどんな時?って言ったら、環境の変化とか、ストレスとか、過労とかもあるからね。何しろ、脳の疾患だから~」

ホルモンバランスが変化するのって、ざっくりと人生の中で2回あるのよ~。いつだと思う?10代と・・・今!!今の私たち~♫ (笑) ホルモンバランスが変化するときって病気になりやすいから気をつけなくちゃね~(笑)

すると、、、「うちの姪っ子も統合失調症で。。。」と、話し始めた方が・・・

ほ~らね。たったの4人部屋なのに、いるいる!身近に統合失調症の人がいる話!!

森民仮説(笑)「統合失調症が100人に一人の病気なら、25人に一人は家族の中に統合失調症の人がいて、数世帯に1件は親戚に統合失調症の人がいるはず!」がまたあてはまる。

「ぼちぼちご飯ね~」と話し終わったら、お部屋の方たちから、なんだか講演会を聞いたみたい。「良かったわ~。ありがとうございました」な~んて言われちゃいました~。一人でしゃべりすぎたか?

こうして、地道に統合失調症に対する偏見を無くすべく、「うちの子統合失調症なの」と雑談の流れで話してます。

コメント

  1. 向日葵 より:

    そういうことをお話するのを、息子さんご本人はどう思ってらっしゃるのでしょうか?私は鬱病ですが、家族とごく親しい友人にしか話していません。
    結局は経験しないと分からないし(勿論どの病気もそうですが、癌や糖尿病や高血圧は想像しやすい)、他人を啓蒙する意欲もないですし。
    統合失調症は、鬱病よりさらにイメージしにくいでしょうし、昔は遺伝疾患だと考えられていました。偏見も根強いでしょうし、それが無くなっていくにはまだまだ社会全体が変わる必要があると思います。日本の社会はそれほど成熟していない。コロナ騒動でよく解りました。
    個人的な考えですが、自分の知らないところで話題の遡上に乗せられる息子さんが少し気の毒になりました。

    • 森の民 より:

      向日葵さん

      コメントありがとうございます
      確かにその人のいない所で話題にするのは嫌かもしれないですね。

      息子には時々話しています。
      そして息子も、自分から「おれ統失」と話しています。
      癌や糖尿病や高血圧を想像しやすいのは、身近にいたからですね。身近な方々が話すから、学ばなくてもなんとなく知っていたりします。

      昔の誤った偏見に怯えて、悪いこともしていないのに隠れて過ごすことの方が、私には出来なさそうです。

      社会は誰が変えてくれるでしょうか。
      国が?誰かがやってくれるのを待ち、やってくれないのを恨むより、私は微力でも自分が動きたいと思いました。

      人それぞれの考えがありますね。
      誰かを啓蒙するもしないも、どちらが良いということも悪いということも無いかなと思います。

      向日葵さんも鬱病で辛い思いをされたんですね。うつ病は、芸能人もオープンに話す、映画にもなるほどメジャーな病気ですね。そして精神疾患は、生涯で4-5人がなると言われてます。

      どうか、症状の辛い時はご無理なさらず、ご自身のペースでゆったりと過ごされてくださいね。

  2. サトシ より:

    はじめまして、サトシと言います。

    久しぶりに来ました。
    実は、森の民さんがブログを開設したころよく拝見していましたが、遠のいてしまいました。
    あれからずいぶんと活動の幅を広げておられるようですね。すごいです。
    また、(仕事柄もあるのでしょうが)精神疾患の知識も深められているようですね。

    私自身が統失患者ですが、実の両親や今の私の家族は、森の民さんのように私の病気のことを理解しようとしているようには思えませんでした。

    でも今では、すっかり元気を取り戻しつつあるので、これから家族との有意義な時間を取り戻しつつ、私は(引きこもりながら(笑))情報発信していけたらと思っています。

    また遊びに来ますね。

    • 森の民 より:

      サトシさん

      コメントありがとうございます。
      統合失調症が100人いたら100通りの症状、回復への道があるように、家族のかたちも色々ですね。
      私の入っている家族会は、熱心に学ぼうとする方々多いなともいます。
      そりゃ当然ですよね。学ぼうとするから家族会を探してはいるのですから。
      ですが、入らない方もいるし、放任の方もいるはずです。
      世の中のいろんな家族のかたちと、統合失調症の家族のかたち、何か違いがあるかと探してみましたが、そこには共通項がみつかりませんでした。

      病気と付き合いながらの情報発信、地道な活動ですが、お互いそれぞれのペースでやっていきましょうね~

      ご家族との有意義な時間!♪ その大切さに気付けただけで素晴らしいですよね。
      こちらも焦らず慌てず丁寧に向き合えると良いですね~

      またいつでもいらしてください

  3. ありゃま より:

    とっても、自然で、とても素敵です~。

    本当もっとフラットに自分の病気の話をできるといいなぁって思います。
    (私もできるだけ周りにオープンにしています)

    すごいいい記事を読ませていただきました。

    励まされました。

    • 森の民 より:

      ありゃまさん

      コメントありがとうございます。
      少しでも励みとなったなら私も嬉しいです♪

      無理せず、ご自身のペースで話せたらいいですね。
      話すことで、「偏見の無い、理解しようとしてくれる人たち」が周りに集まる気がします。