遊戯王カードが大好きな大地。
高校受験を控えていた頃、私は「もういい加減に、受験生なんだからカードゲームなんかで遊ぶのはやめなさい!」と言った。
大地は渋々、いくつかの遊戯王カードを手放したらしい。
そして、病気を発症してから、「なんでもいいから、好きなことをやりな〜」と言われ、再び遊戯王を始めた。とは言っても、相手は弟たちだった。
高校を卒業した大地は、特にすることもなく、落ち着かなくなると、カードをシャッフルしたり並べ替えたりして、ずっとカードに触れていた。
大地は小学生の頃から遊戯王を始めていたのだが、かなり強かったらしい。
発症から2年目の、陰性症状真っ只中の、何もかも、めんどくさいと言う時期に、近くのカードショップで時々開かれる、遊戯王カード大会に行った。
結果は2位で、ちょうど欲しかったカードを賞品としてもらえたらしかった。大地はその事を何度も繰り返し話した。
あぁー、中学の時に持ってたカードのデッキだったらなー。こんなザコいカードじゃなければ、楽勝で1位だったのに!でも、欲しかったのはこっちのカードだから、まぁいいかー♪
私に言われて、大事なカードを売ってしまったことを後悔しながらも、それについては私を責めることはなく、それからも、大地は気が向くと、小さなショップの大会に出かけた。
十数名の中、優勝して、レアカードを何枚ももらってきたこともあった。
ある日、いつものように仕事から帰ってくると、大地がいない!
慌てて携帯で大地に電話した。
今どこ?
「あー、地区センターにいる。」
なんで?
「松下と遊戯王やってる。」
松下くんは、大地の中学の時の友だち。中学の時は、よく複数人の友だちと地区センターでカードゲームやDSなどをやっていた。
私は、中学の時の友だちとまた遊べるようになったのかと、嬉しくなった。と同時に、松下くんてどんな子だっけ? 大地が病気だって知ってるのかな…? 大地に、薬は良くないとか、言ったりしないかな?
と、色々な不安が頭をよぎったが、ここは見守るしかない。
大地が、友だちとまた交流を持ち始めたのは、とてもいい事なのだ。
それから大地は、週に3回、多い時は毎日、松下くんの家のある団地へ行き、階段の隅の踊り場で、遊戯王をした。
松下くんは、大学生だったから、昼間は大学があり、遊ぶのはいつも夕方~夜中。
夏から始まり、真冬も、大地は団地の踊り場で遊戯王をした。
寒くないの?
「いや、以外と風こないから。」
そのうち、遊戯王の他に、城ドラもやるようになり、いつの間にか、高校2年の時の友だちの翔くんとも、たびたび遊ぶようになっていた。
翔くんは、やはり大学生で、アルバイトもしていた為、週1回のペースで、ファミレスで会っていた。
会うと、やはり遊戯王をしていたらしい。
お店に迷惑じゃないの?と聞くと、
「大丈夫。空いてる時だし、混んできたら終わりにしてるから。」
この、松下くんと翔くんは、大地が統合失調症だと言うことを知っている。
大地が、「オレ統失ー♪」と言ったらしい。
2人とも「なんだよ、お前のどこが病気なんだよ」と、笑い飛ばしたそうだ。
そして2人とは、発症から4年目に突入した今も、相変わらず遊んでいる。
統合失調症のLINEグループがあります。
家族のLINEグループ、当事者のLINEグループ、雑談のグループなど、他にも色々あります。
https://schizo.love/?p=34
LINEグループなので、困ったとき、辛かった時、話したくなった時、いつでも誰かが応えてくれます。もちろん既読スルーもOK。退室も自由です。
もしよろしければどうぞ♪
コメント
こんにちは!いつも拝見しています。病気のことを理解してくれている友人が二名もいらっしゃるなんて親御さんとしても心強いですね。とにかく寝る、眠れなかったらゴロゴロしておく、好きなことをやればいい、とのお母様から息子さんへのアドバイスが回復をはやめているような気がします。静観して見守ることは頭ではわかっていてもなかなか難しいことです。状態がよくなれば次の段階へと期待してしまいますし。。あ、アメブロのほうも読者登録させていただきました。これからも更新お待ちしております。
allowさん、
慌てないように自分に言い聞かせても、なかなか難しいですよね。
息子に話す言葉は、毎回自分に言い聞かせている感じです。
アメブロも登録してくださったんですね。ありがとうございます。
そちらは現在進行形です。
アメブロの方は、メモ書きではなく、ちゃんと記録を残しておこうと思って書き始めたブログなので、こちらを書く時に見返したりしています。
今後重複するところも出てくるかもしれません。
いつもコメントありがとうございます。
こんばんは。昨日のコメントにアメブロ云々と書いたのですが内容が不適切でしたら遠慮なくコメントを削除なさってくださいね。よろしくお願いします。
大丈夫で〜す*˙︶˙*)ノ”
[…] 無理やり鞭打って歩かせようとしても、歩けないほどの重い荷物に違いない。 大地の荷物が少し軽くなって、頑張って歩こうという意欲が出てこなければ。 初診から診てくださった女医さんも言っていたなぁ。「今に自分から、何かしたいなぁという気持ちが出てくるから、それまで待った方がいい。」 焦らない。。。 無理に歩かせては、また骨折するのだ。 04 友達と遊ぶ へ […]