認知機能リハビリテーション(NEAR)とは、たまたま私が行った家族会の講演会で招かれていたある国立系のセンター病院の先生が中心になっておこなっている研究で、パソコンの画像を見ながら、クイズのような問題をやっていくというもの。
この病院は、紹介状がないと診てもらえないし、完全予約制。
主治医に話すと、「いろんなところにいろんなポケットがあった方がいい。」と言って、快く紹介状を書いてくだるということだった。
初診の予約では、先生は基本的には選んだりできないし、講演会の時の先生はかなり有名な先生らしく、直接の紹介状がないと、なかなか診てもらえないらしかったが、私は講演会で「NEARを受けさせたいんですが、どうすればいいですか?」と質問し、「私の外来の時に来てもらえばいいですよ」と言われていた。
なので、病院の受付に連絡し予約する時は、講演会の先生の日時を指定した。先生宛の紹介状があるかどうかを聞かれたが、先生自身から、外来で来てもらえば良いと言われていることを伝え、予約は1か月後にとることができた。
NEARを受けようと動き出したのは、まだ冬だった。
紹介状を書いてもらい、予約をし、はじめての国立の専門病院受診の時は、大地は20才になっていた。
国立病院の先生も、穏やかな口調で、発症からの経緯などしっかり聞いてくださり、まずは、NEARを受けたいという気持ちが本人にあるかどうかが大事。そうおっしゃった。
大地は、そもそも乗り気ではなかったので、診察を受けながら迷い始めた。先生も、NEARは3か月間、週2回通わなければならなくなるから、本人に意志がなければ続かないだろう。と、強制する様子ではなかった。
研究のコーディネーターの方が、説明をしに来てくださった。大地は長い話を聞くことはまだ無理だったから、すぐに飽きて貧乏ゆすりを始めた。話が終わり、説明書をもらい、私がゆっくりと読み返しながら、大地に簡単に説明する。
「めんどくさいな~。やっぱりやめようかな~。」という大地。
すると、説明書の最後に小さな文字で、謝礼としてクオカード5000円分を心理検査とMRIを実施した時に限り差し上げると書いてある。
「大地!心理検査やMRIは全部で3回あるよ。クオカード15000円分ゲットだよ!」
そういうと、大地は、え、マジ? じゃ、やっぱりやる・・・。
大地は、先生から聞かれると、「試験を受けるのに、集中力や記憶力がないから、それを良くしたい」と言って、研究の同意書にサインした。(一番の理由はクオカードだけどね)
そこから翌週には、MRI
翌々週には心理検査
そして5月の連休直前から、大地のNEARがやっと始まった。
統合失調症のLINEグループがあります。
家族のLINEグループ、当事者のLINEグループ、雑談のグループなど、他にも色々あります。
https://schizo.love/?p=34
LINEグループなので、困ったとき、辛かった時、話したくなった時、いつでも誰かが応えてくれます。もちろん既読スルーもOK。退室も自由です。
もしよろしければどうぞ♪
コメント
NEARの効果にわくわくします。
私も以前弟に、行動認知療法というのに誘ったのですが、行ったことがあったらしく自分の考え方が間違ってるという認識をもてないそうてす。
クオカード等、行く目的を他のものにすれば良かったですね!
次回、使ってみます。
向日葵さん、
いろんなリハビリがあるんですね。
私は、結構、アイスとか好きなお菓子とか、そんなものでつっていた気がします。
息子が、「マジ?」と言ってニヤッと笑うのが嬉しくて、ついつい買ってました。
子どもの頃は、物でつって何かさせるのは良くないと思っていましたが、発症してから、そういう楽しみもちょっとくらいいいんじゃないかな…。と思うようになりました。(^_^;)
[…] 高校を卒業してからの1年間 17才11か月で発症した大地は、20才になろうとしていた。 昼夜逆転の生活は変わらず、毎日、午後2:00-5:00頃起きて、風呂に入り、ご飯食べて、友だちと遊び、夜11:00頃帰宅してから、一緒に散歩に出かけ、帰宅後ご飯を食べ、携帯でアニメを見て、寝るのは朝方、午前3:00-5:00。 そんな生活が続いた。 何も変わらないように思えた。 一歩進んだかと思うと、半歩さがる。 時には、半歩進んだかと思ったら一歩さがる。まったく、前に進んでいないのではないかと思えるような歩みだった。 けれど、振り返ると、寝るだけの生活から、毎晩の散歩が始まったし、 遊戯王カードを始めて、友だちと遊べるようになった。 ネットで、カードの売買もするようになった。 カタツムリか亀のような速度だけど、前に歩いているのだ。 そして、大地は警察官試験を受けることにした。 まったく勉強が進まない大地に、私は、国立病院の研究を受けてみないかと勧めてみた。 家族会の講演会で、認知機能リハビリテーション(NEAR)についての講演を聞いたことがあるのだが、それを受けさせたいと思っていた。統合失調症早期外来というところで行っている、研究のひとつだ。 その効果があるかどうかは、研究している最中であり、絶対に良くなるという保証はない。けれど、今できる限りの医療を受けさせたいと、かねてから思っていた私にとって、研究でもなんでも良かった。 それで少しでも良くなったら、こんなラッキーなことはない。 講演を聞いたばかりの頃、大地に話したことはあったのだが、その時は、陰性症状で寝てばかりの真っ只中だったから、大地は「めんどくせ~」と言って、まったく話すら聞かなかった。 けれど、あれから数ヶ月。この時の大地は、試験を受けようという意欲が出始めていた。 「この治療は、記憶とか集中力とか、そういう認知機能を回復させるためにいいらしいよ。今、試験勉強してもはかどらないでしょ?少しは良くなるかもしれないよ。」 この時も、大地は、相当めんどくさがったが、現金なもので、 「あ、クオカード5000円もらえるって!」と言ったら、 「マジで?じゃ、やろうかな。」 研究対象として、このとっかかりの理由はどうかな…?とは思ったけれど、とにかく今までの規則正しい夜型生活から、少しばかりの変化を求めて、大地と私は、「認知機能リハビリテーション(NEAR)」に申し込むことにした。 第4章 統合失調症の四季 01認知機能リハビリテーションその1 へ […]