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07 安静

退院後、深夜に出かけることは無くなったものの、落ち着かなくて、走ってくると言っては出かけてしまう息子に、主治医の先生は、スポーツ選手の骨折の話をしてくださった。

スポーツ選手が足を骨折したら、しばらくは走れない。無理をして走ったりすると、悪化したり治りが悪くなったりするでしょ。大地くんも、今は安静の時期なんだよ。ある程度良くなってきたら、次はリハビリを少しづつ始めないといけない。けれど、まだ大地くんはその段階ではないよ。今は、安静。

わかりやすいなと思ったけれど、大地は、「オレはスポーツ選手じゃないし!」と、呟いていた。

学校の体育祭も、見学の予定だったのに、出てしまったらしい。その日は、いつになく興奮していたように思うが、高校生活最後の体育祭に出られて良かったという思いもあった。

とはいえ、安静が大事ということは、言い続けなければ。

毎日毎日、寝て過ごす。食べると風呂に入る以外は、寝て過ごす。それが、脳を休ませる最善の過ごし方。
ここで、なまけものとか、寝てばかりだとか、言ってはならない。
オーバーヒートした脳を休ませているのだ。

私は息子に、「寝なさい」「ココア(うちで飼っている犬)のように、毎日、食べて散歩して寝て過ごしなさい」「三年寝太郎のように、寝て過ごしなさい」そう言って、
ちゃんとごろごろとベッドにいることを、褒めていた。
「お!ちゃんと寝てるね♪ 偉いよ!今は、安静だからね。とにかく寝て過ごしなさいね」

学校に行き始めてからも、「授業中は、とにかく寝てなさい!」と言っていた。
普通に考えると、高校3年生の母とは思えない言葉だが、とにかく「学校で寝なさい!」そう言って、学校へと送り出していた。

08 選択 

コメント

  1. allow より:

    はじめまして。うちの息子は19才で発症し現在25才です。森の民さんのブログを拝見し息子のことと照らし合わせてみたり色々と参考にさせていただいております。これからもブログアップお待ちしております。

    • 森の民 より:

      allowさん、ありがとうございます。

      発症当時、情報がなくて、これからどうなるのか?どうすればいいのか?分からないことばかりでした。
      統失患者さんの家族の方が、たくさんある中の、ほんのひとつの事例として、読んでいただけると嬉しいです。
      Allowさんのコメント、励みになります。
      これからも、よろしくお願いします。

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