カテゴリー:第2章 統合失調症と暮らす
10 卒業

陰性症状の最中、大地は高校へ通った。 身体が鉛のようで、ベットから起き上がるのも、立ち上がるのも、歩くのも、箸の上げ下げさえも、重そうだった。 めんどくさい。。。という言葉を発するのさえ、だるそうだった。 今日は起きれる [……
詳細を見る09 衝動

統合失調症の症状を調べると、妄想や幻聴などの目立った陽性症状と、陰性症状、そして認知機能の障害が、挙げられているものが多い。 その中で、どの症状に分類されるのか分からないけれど、「衝動」という症状があるように思う。 [……
詳細を見る08 選択

長男が、病気を発症して、どうすればいい?って、考えた事は何度も何千回もあった。 何がいけなかった?誰のせい?あの時こうすれば… その度に、「過去を振り返っても仕方ない。これから先の、大地にとっての、最高の最善の選択をしよ [……
詳細を見る07 安静

退院後、深夜に出かけることは無くなったものの、落ち着かなくて、走ってくると言っては出かけてしまう息子に、主治医の先生は、スポーツ選手の骨折の話をしてくださった。 スポーツ選手が足を骨折したら、しばらくは走れない。無理をし [……
詳細を見る06 与薬

入院して、始めて出された薬は、エビリファイだった。どこにどう作用したのかは分からないまま、少しづつ増量はされて、退院後も変わらず同じ薬。 退院時、大地は誇大妄想の話をあまりしなくなっていた。話したとしても、内容が、大分あ [……
詳細を見る05 連携

入院中も、学校とは連絡を取り合った。 養護教諭の先生は、大地の病気やそれまでの家庭環境から、次の担任の先生は、男性が良いか女性が良いかなど、3年生の担任の先生たちが何かしらの配慮をしようと話してくれている事を教えてくれた [……
詳細を見る04 学校

統合失調症の発症は、17歳がもっとも高い。もちろん個人差はあるが、子どもが、中学、高校、大学あたりで発症したという人が多いかと思う。 大地は、高校2年生、17歳での発症だった。 その場合、治療と同時に考えなければいけない [……
詳細を見る03 不信

研究者が、障害児を持つ親の心のプロセスを調査したものは、何種類かあるけれど、統合失調症の子を持つ親の心理のプロセスには、他には無い、ある心の働きがある。 それは、「不信」 他の病気の子を持つ親より、圧倒的に多いのではない [……
詳細を見る02 否認

障害児を授かった親や、子どもが難病になってしまった場合は、ショックの後に、否認や怒りなどの感情が訪れる事が多い。 けれど私は、そのあたりの感情に支配されることはなく、すぐに病気を受け入れた。 看護師だったため、衝撃(ショ [……
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