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スケジュールを埋める

5.統失息子の母のつぶやき

昔、子どもたちがまだ小さかった頃、私のスケジュール帳はいつもいっぱいだった。

何しろ、子どもたちにはそれぞれ予定があり、その学校行事や送迎などなど。毎日慌ただしく、その予定をこなすことで明け暮れていた。

ある日私のスケジュール帳に、〇時〇〇駅とだけ書かれたマスがあった。

え?これって。。。なんの用で誰と会うんだっけ?全く思い出せない。何しろ4人の子どもそれぞれのクラスや部活や学校の役員、住んでる地域などの色んなコミュニティとの予定が毎日のようにあったから。。。

よくわからないけど、でも、とにかく行かなくちゃ!誰か分からないけど、相手を待たせることになっては申し訳ない。そう思ったので、その約束がスポーツでないことを祈り、普段着ではない服に着替えて約束の駅前へ。

途中も、誰だっけ?なんでだっけ?と思い出そうと考えながら歩き。。。結局思い出せないまま待ち合わせ場所へ到着。

どうしよう。。。なんだかちょっと笑えてきたけど。きっと誰かが声をかけてくれるに違いない!

やがて5分ほどすると、もりたみさん!と手を振りながら声をかけてくれた人が。。。

あ!!!!やばい。誰か分からない。

待った?と、その方は親しげに話しかけてきて、この前はありがとう!と。

顔を見ても話されても、誰だっけ?なんの事だっけ?と心の中はざわざわ。やばいーーー!どの子のママ友?なんの話し?んで、今からどこへ行く感じなのーーー??

あまりにも親しげに話されるから、誰だっけ?が聞けないまま、話の中に何かしらヒントが無いかと適当に相槌をうち。

するとまた2人ほど現れて、うわぁー久しぶりー!とみんなテンション高め。

そこまできても、誰1人思い出せず。なのにみんな私のことはよく分かってるらしく。。。もりたみさん、お子さん4人すごいよねー、毎日ご飯とか大変でしょうー。と、割と私のことを知ってるらしき4人。

その後ランチして、私1人無口なまま話が進み。当たり障りのない話をしながら無事にその日を終える。

いまだに、あれは誰たち?が思い出せない。多分、子どもの学校関係のクラスの係の人たち。でも、どの子の?なんの係?

毎学年、クラス替えがあり担任が変わり、年度途中の転校もあり。その度にクラスの役員や子どもの部活の親たちや、引越し先の地域の親たちや。数えきれない出会いがある中で。

唯一思い出せない人たち。

あれ以来、スケジュール帳には、〇時〇〇駅前、誰となんの用で。。。まで書くようになった。

授業参観などでは、「元気?」と声をかけられ、その度に「うん!元気元気!」と答えては、このクラスにいるんだから、〇〇の友だちのママだよね。。。と、誰かは分からずやり過ごした日々。

スケジュール帳は、今はスマホになったけど、必ず誰との予定かを書くようにしている。最近もまたスケジュールが埋まっている。仕事以外の日が忙しい。

8月はバイトが無いから、多分少しゆっくり出来る日が続くかな。

忙しくくても、心を亡くすことのないように。スケジュール帳は、余白を大切に。

穏やかに過ごしたいなと思う。

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